2005/03 ホテリアー 

 ソ・ジニョン(ソン・ユナ)場面集 





韓国ドラマ2001年度作品の「ホテリアー」は、2002年度作品の「冬のソナタ」とともに私が最も好きな、韓国が誇るドラマである。


私は2004年に「ホテリアー」を地方局から字幕スーパー付で、当時「冬のソナタ」の10話前後あたりから深夜にスタートし視聴した。私は、それ以前から韓国ドラマは観ていたので深夜にも係わらず興味津々で本作を観た。また、少し遅れて吹き替え版も放映されたので、両方を視聴し、さらに、秋には日本テレビで放映した吹き替え版も視聴した。どれがいいかといわれれば、字幕付の方が圧倒的によかった。理由は極めて明快で、主役を演じたキム・スンウ、ペ・ヨンジュン、ソン・ユナ、ソンギョの生の声に魅了されたからだ。取分けソン・ユナのあの喩えようもないビロードのようなに滑らかな美しい響きの声と軽妙な台詞の言い回しは、吹き替え版では到底その良さが伝わらないからだ。さらに、抜群の容姿の彼女のシーンを瞬時に観たいとの思いからビデオでは限界があるので、DVDまでも購入してしまった。


ソン・ユナは、キム・スンウとのシーンでは小気味よい早口を互いに捲くし立てる場面は結構多く、これは圧巻である。一方ペ・ヨンジュンとは語気を強めて話しているかと思えば、瞬時に愛おしい気持ちや優しい声で語り、また、あるときは非常に真面目にホテリアーとして気品溢れる話し方をするなど、本当に演技力のある女優だ。こんな微妙な抑揚をつけて表現ができる若い彼女はとんでもない才能豊かな人だと思う。少なくとも彼女のような表現力豊な女優など錚々いるもではない。彼女の年齢(当時27歳)でこの奥の深い演技ができる女優など殆どいなだろう。従って、吹き替え版では彼女の演技の素晴らしさが、視聴者には伝わらない。


さて、第1話と第2話はその日に連続で放映され、床に入ったのは午前4時近くではなかったと思う。その第一印象は、「冬のソナタ」にも出演している主役の一人ペ・ヨンジュンが別人のように見えたことと、「秋の童話」の主役ソン・ヘギョが出演していることで、楽しくなっていた。事実、本作は回を重ねるごとに、「冬のソナタ」よりも次の週を待ちわびることが多くなった。そして、その最大の理由はここに出演しているスター女優ソン・ユナが魅力的であったことはいうまでもない。


しかし、最初のころソン・ユナには大変失礼ながら、彼女に関心がなかったのだが、3話あたりから、徐々に彼女の虜になっていった。彼女の名前やプロフィール、顔写真は既に放映される3年以上前から承知していたのだが、その写真と映像に映る彼女の顔が全く違うのには正直驚いた。日本の女優であればブロマイドやポスターなど眺めてもそんなに顔が変わることなどまずもってないので、かなりのショックを受けた。そんなソン・ユナが、例のホテルのユニフォーム姿になると、これは素敵の何もでもなく、完全に彼女のファンになっていたのである。しかも彼女は本作の中でも、髪型や服装などが変わる度に、顔が変わるのには些かびっくりした。一体彼女の本当の素顔はどういう顔立ちになっているのか不思議な感じがするのだ。しかもユニフォーム姿のときでも観る角度などによって表情は微妙に変わるには、不思議という以外に言葉が見つからない。


それでは、ソ・ジニョンではなくソン・ユナがインタビューに答えている顔は本当に彼女の素顔なのか、これとても信じられなくなるのだ。ひょっとすると彼女の本当の姿はプライベートのとき以外別でないのかと真剣に考えてしまうのである。しかもその素顔は女優として演技しているときよりも実は若々しくもっときれいではないかと思たりするのである。


女優ソン・ユナにとって本作の意味を考えてみると、この作品は普遍性のある内容で多くの国で視聴できる秀作であり、彼女の女優人生で歴史に残る作品と思う。彼女が演じたソ・ジニョンは実に魅力的で従来のラブ・ロマンスのヒロイン像とは全く異なる存在で、演技派の女優なくして困難なヒロインを演じた彼女の実力の一端を示した作品だったと思う。彼女自身もインタビューで答えているのだが、ジニョンの生き様は好きなようなので、今後も新境地を開いてくれるものと期待している。


私はソン・ユナの良さは浮ついた人気に動じないしっかりとした人生観に裏打ちされた強さがある頭の賢い女優だと思っている。また、彼女は華やかな芸能界の世界に身を投じていながら、華麗なヒロイン役は性格的に好きではないのではないかと思う。しかし、ファンの気持ちとしては、一回でいいからラブ・ロマンスで彼女のナチュラルな姿の等身大のヒロインを演じてほしいと願うのだが、私の期待と裏腹に彼女はそんな役柄は多分選ばないと思う。恐らくソン・ユナにとって本作のヒロイン、ソ・ジニョンは彼女が考える等身大のヒロインに近いのかもしれない。或いはソン・ユナ自身が憧れている女性がソ・ジニョンかもしれない。それにもうひとつ、日本はもとよりアジアで爆発的な人気を博している私の好きなペ・ヨンジュンの恋人役だったのも嬉しかった。


賛辞をおくって止まない演技派美人女優ソン・ユナだが、ほっとしたことがある。それはキス・シーンである。1年ほど前、韓国のニュース(2004年韓国で放映された暴風の中に、邦題:嵐の中に)で「ホテリアー(ペ・ヨンジュンとのキス・シーン)」以降3年ぶりのキス・シーンで緊張からNGを出し続けたと書かれていたのを思い出した。彼女の場合、通常共演者がNGを出すことがあっても彼女がNGを出すタイプの女優ではない。そんなソン・ユナがキス・シーンでと思うと微笑ましくなるのだ。私の中では、実のところソン・ユナという女優がさらに好きになった。何か、ソン・ユナがソ・ジニョンと同じく一見すると凄く勝気に見えるのだが、純情で、心優しく、人間味があって、それゆえ親しみを覚えるのである。恐らく、彼女の慎ましやかで淑やかな一面が韓国でお嫁さんにしたい常連といわれる所以なのかもしれない。


一方、日本でのソン・ユナの存在は、昨年10月にキイ局の日テレの放映によって、ユナ姫と形容されチェ・ジウに続くブレークの筆頭にあったと思う。その勢いで、12月にソン・ユナツアーが企画されたのだが、残念ながら彼女は次作の香港エクスプレスの出演などの理由からなのか、参加することもできず、また来日の機会も遠ざかったのは非常に残念だ。なぜ、ソン・ユナは巨大マーケットである日本での成功をあえてはずしたのだろうか?確かに、今や韓流は中国、台湾、香港などをはじめアジア全域に広がっている。何も日本だけがマーケットではないのだが、それでも大きなチャンスを逃したのは惜しい。


本作で共演したペ・ヨンジュンの大ブレークを考えあわせれば、彼が主演した「スキャンダル」でもし共演を果たせたら、本作8話のダンスシーンや13話で見せたドア越しから振り向いたあの神秘的な眼差しの美しさと表情が出せる容姿と演技力で多くの日本人のファンの心を掴んだに違いない。また、今クランクイン中の「外出(4月の雪)」なども彼女の得意とする役柄と思うので、ファンとしてはできることなら出演して欲しかった。ただ、ソン・ユナの芸歴と、彼女の慎ましやかな性格からすると人気獲得のための作品を敢えて選ぶやり方は、恐らく彼女の生き方に馴染まないのかもしれない。


そんなソン・ユナssiの本作の場面をご紹介しよう。





(第1話)舞台裏の人々



(いかにもキャリア・ウーマン然としたソ支配人颯爽と登場!)
ホテル内の更衣室で歯を磨きに行くときの赤のシャツにユニフォームのスカートをはいたスタイルは抜群だ!正に大人の女性だ!でも顔は凄く可愛い。



(仁王立ち)
ソウル・ホテル30周年記念パーティを取り仕切る堂々たる風格の仁王立ちのソ支配人はソウル・ホテルの実力者だ!


(焦るジニョン)   
料理の準備に遅れ、創立記念パーティの開催時間に焦るジニョン。仲のいい料理長にも噛み付く、風邪気味(?)の豪腕ソ支配人。仕事の鬼だ!このときのジニョンの眼の動きに注目を、ただ驚いているだけではない。微妙に眼の大きさや表情が変わるのだ。さすがユナssi、演技力の確かさと凄さがわかるシーンだ!




(テジュンを思い出すジニョン)
料理長のデスクに置かれたテジュンが写った写真を見て、フッート上の空になるソ支配人。何気ない表情の演技は本当に、上手い!料理長が手にやけどをおったのだが、それを心配しながらテジュンの話がでて、思いに耽るジニョンの表情をつくるソン・ユナの演技に気になった。上手いな。



(本物ですか?)
疲れて家に帰ったソ支配人、テジュンが写った写真を見て、ラスベガスに電話かけるのだが、ベッドに横たわっても胸元が大きいジニョン。本物ですか?
やっぱりこのときも鼻声だ!! ソン・ユナssi風邪を引いていましたか?




(プロフェッショナルのソ支配人)
あっけなく逝去したチェ社長。エレベーターで別れを惜しみ涙するソ支配人であったが、涙を手で拭いて日本人のVIPのお客山本に日本語で応える彼女は大した女性だ!!ソ支配人は正にプロフェショナルだ!!
日本人の私としては、ここで日本語が出てくるとは思いもしなかった。英語を話すVIIPが一般的と思っていただけに一寸驚いた。これが日本のドラマだと間違いなく白人のお客が出てくるのが一般的なところだろう。それにしてもユナssiは短時間でよく覚えたものだ。ユナssiの記憶力は抜群なのだろう。




(蜜命で米国へ)
社長夫人からテジュンを連れ戻す命を受けるソ支配人。
次回からソ支配人のアメリカ出張だ!どんな困難が待ち受けているのだろう。

ソウル・ホテル支配人ソ・ジニョンの実力はこの第1話をみていないと全くわからないのである。このドラマのオープニングから颯爽と現れ、ホテル従業員と出社時に挨拶を交すところなどを見ると彼女の地位の高さが伺えるのだ。それにこのドラマで終始対立するオ副総支配人も冒頭のシーンではジニョンの実力を認めていて、彼女を至急呼ぶよう部下に指示するのである。

ジニョンは社長の指示でソウル・ホテル総支配人候補のテジュンを単身アメリカから連れ戻す役目をおおせつかるのだが、何処にいるのかも分からないテジュンをただ単に恋人だからというだけで指示したのではないのは当然である。

彼女は米国留学の経験がありしかも仕事ができる優秀な幹部社員であるからだ。従って、この1話はジニョンを知るためには欠かせない回である。私もこの回を結構いい加減に観ていたので、あのドタバタのジニョンが些か不自然さを感じたものだが、彼女の仕事に対する実力と情熱を知る上で大事なところである。


そうやってジニョンを見てみるとこの不思議なキャラクターが妙に可愛くみえるものだ。それに、この役作りに同世代の中でも飛びぬけた演技力のある演技派女優のソン・ユナは相当熟慮したように思う。なぜなら支配人ソ・ジニョンはソン・ユナと全く対極にあるような性格のように思うからだ。しかも知性と教養溢れながら、お転婆で周りを混乱させるドタバタ振りのジニョンであるが、ソン・ユナは知性と教養は同じにしても性格は全く異なるので、彼女はどのようなイメージでジニョンを演じたのか以降でも説明したいと思う。




(第2話)さようならラスベガス



(ラスベガスに到着のジニョン) 
ジニョンがラスベガスに到着しました。少しお疲れモードだ。目の前をドンヒョクが歩いているぞ!ジニョンにわかるわけがないか。あたりまえだ!まだ彼女は彼を知らない。



(垢抜けたファッションセンスのジニョン)
二日目のジニョン、赤のシャツと黒色のパンツルックはとっても似合っている。センスがいい。この雰囲気大好きです。テジュンの居所を調べるジニョン、なかなか見つからず疲労こんぱいだ!
それにしてもジニョンのファッションセンスは抜群と見えないだろうか。私は彼女のこのカジュアルな着こなしと身のこなしに凄く感動している。実に可愛く見えるのだ。できればデートしたいタイプの女性です。
そういいながら、矛盾するようで恐縮だが、このヘアースタイルはあまり好きではない。実のところ、このドラマを最初に見たころ私はこのあたりまではソン・ユナという女優に大きな関心を持っていなかったのは事実である。なぜなら美人女優ソン・ユナがソ・ジニョンを清楚な美人に見えないようにヒロインを演じているからだ。
しかし、私がこの不思議なキャラクターのソ・ジニョンに魅了されていったのは昨年TVで視聴した時には、次回以降からだった。



(運命の出会い?レストラン”300本のばら“)
レストラン“300本のばら”でまずそうなステーキを食べているジニョン。とうとうサ−ビスの悪さに怒ってしまった。英語が上手い!! とても台本どおり喋っただけとは思えません。謙遜ユナssi。流暢な英語ができるとみたが如何。その一部始終を見たドンヒョク(フランク・シン)の眼差しは熱かった。



(テジュンとの再会)
夜のラスベガスに映えるジニョンの例の赤と黒の服装。たまりません!
運よくテジュンにあったジニョン。テジュンはすぐさまジニョンの左手を見るのだ。
一生懸命説得をするジニョンに全く聞く耳持たずのテジュン。ジニョンは逃げる彼を追うが、ジニョンの歩幅の大きい歩き方は素敵だ!格好いいユナssi。
ユナssiのこの歩き方、一寸驚きました。背筋を伸ばしてこれほどのきれいで格好いい身のこなしは見たことがない。是非とも女性の方は参考にしてほしい。ところでユナssiはこの歩き方をいつどこで身につけたのだろうか?




(おちぶれたテジュンに落胆するジニョン)
落ちぶれたテジュンの姿を見たジニョンの何ともいえない表情が切ない。ホテルで「オッテケ・・・」どうしようと悩むジニョン。社長に何といって報告してよいか悩むのだが、電話でテジュンが元気であったことを伝えるのだ。



(嘆くジニョン 胸元が?本物ですか?)
ホテルでワインを飲みながら、独り言でテジュンのだらしなさにがっくりのジニョン。またもや胸元が大きい??眼がどうしてもそこにいってしまうのです。はい。



(怒り爆発のジニョン)
翌朝ジニョンはテジュンの住んでいる家を訪ねるのだ。ドアを叩くと見知らぬ若い女性に怒り爆発のジニョン。いよいよ本領発揮だ!
テジュンに説教するジニョンは凄い女性だ!
愛したテジュンに失望し涙するジニョン。

ジニョンのテジュンへの3年間の思いは、一体どうだったのだろうか。このあたりを含んでシナリオを作ってくれれば、ヒロインのジニョンの悲しさがその後に活きてきたと思う。
どうもあのお転婆でドタバタするジニョンが好きになれなかった人たちには彼女のこの間の苦悩や悲しみ知れば違った見方、取り方をしたのではないだろうか。実のところ私も最初のころ気がつかなかった。


もう一つ、前述のとおりユナssiはソ・ジニョンを演ずるにあたって演技派女優として相当深く考えたと思う。彼女は韓国で才色兼備の礼儀正しい女優と形容されることからも、彼女の実像と相当異なる人物を演じていることになるのだが、従来から持たれているイメージの呪縛から逃れたいのかと思っていたのだろうか。

事実彼女は過去の作品を眺めても私が期待するナチュラルなヒロインを演じないところ見るとあながち間違いではないのではないかと考えている。特に、彼女は98年「ミスターQ」でキム・ヒソンをいじめる役で演技者として高く評価されたようで、この年には数本のドラマに出演し、その後「サラン」、「ラブストリー(遺失物)」、「バッド・フレンド(邦題:バッド・ボーイズ)」、「光腹節特赦」など、他のスター女優に比べ多様の役柄を演じ、華やかなヒロインや極力美人というイメージを捨てるだがごとく演じているのである。

それでも韓国では淑やかな女優というイメージがなくならないのはなぜだろう。また、韓国ではこれほど結婚問題が話題になる珍しい女優である。よほど彼女は本国では大切な女優なのであろう。だから日本でのブレークの機会も重要でなかったのだろう。

まずもってないことであるが、万一ソン・ユナssiが日本人男性と結婚でもしようものなら大変なことが起こるかもしれない。なぜなら彼女は国民的女優の一人であると思うからだ。いずれにしても彼女と結婚する相手は本国の人でも大変なことに違いない。



(ルームサービス)
ホテルのエレベーターでドンヒョクと乗り合わせるジニョン。ドンヒョクは同じ階で降りたジニョンの後姿をじっと眺め、レオにジニョンのルームナンバーを調べることを指示するのだ。
ジニョンの部屋にルームサービス係が訪れ、プレゼントが贈られるのだが、誰から送られたのか半信半疑のジニョン。贈主はフランクだったがジニョンは知らない。




(バスロープ姿のジニョン)
入浴中のジニョンにテジュンが訪ねてくるのだ。ジェニーのトラブルで金がいるテジュン。そこでジニョンはソウル・ホテルに戻る交換条件を出すのだ。バスロープ姿のジニョン、いいですね。ユナssiは結構背が高いのだが本当に華奢で小柄な感じがする不思議な雰囲気だ。



(テジュンとのバトル)
車中でソウル・ホテルに戻らないというテジュンにジニョンとのバトルが始まり怒ったジニョンは臆病者と一緒にいたくないと罵りテジュンは車を止めるのだ。ジニョンは引くに引けず砂漠の中で車を降りてしまう。しかし、ジニョンはとんでもなく早口なのにはびっくりする。よくも舌がくるくる回るものだ。



ベストショット
テジュンとの劇的な再会のジニョン。
カメラのファインダー越しから見えたテジュンの姿、
少しでき過ぎの感もあるがそれでもジニョンなら許そう。








戻る